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野口晴哉【心理療法読本】を読む(1) =文底秘沈=
新しいシリーズは、野口晴哉【心理療法読本】を読む、である。野口晴哉先生(のぐちはるちか)は戦前に出版された『霊療術聖典』という本で、精神療法の療術家として紹介されている。幻の書『整体操法読本』の中でも精神療法家として名を連ねている。野口整体に於いても、その他の整体操法を奉ずる流派でも「潜在教育」という名の心理指導はとても難しいものとされている。

野中操法を治療のプロとして取り入れ活用してゆくには、技術練磨ということは確かに大切なのだが、心理指導というものが出来ないと大成できないと思う。野中操法(健康腺療法)の創始者:野中豪策先生(のなかごうさく)は、正統継承者である吉田先生やその数少ない門弟に対して、野口晴哉先生のもとにいって学ぶように薦めたのである。吉田門下では、知られていない事実なのだが、吉田先生は野中豪策先生に弟子として入門した後、野口晴哉先生が主宰をしていた整体操法協会(昭和29年に整体協会に改名)の講習会に受講生として出ておられたのである。

野中豪策先生は、「技術的には百年に一人の天才」といわれた療術家であるが、彼は野口晴哉先生のことを常々「あいつは天才だ」と周囲に語っていた。両者は技術的にも交流し、整体操法の中には原型ではないが、野中流の操法が随分取り入れられている。野中豪策先生が吉田先生に、学ぶことを薦めた内容というのが「愉気法」と「潜在教育(心理療法)」であったのだろうと僕は考えている。この「愉気法」の中には「硬結の処理」ということも含まれている。

唐突であるが、皆さんは仏教のお経というものをご存知だろうか。整体研究家の中には、お経を求め続けていると称されている方々がいるようだ。つまりここでいうお経というのは、治療法の書かれた書籍・資料原典などである。お経を求めるとは、そういう資料原典と技の本体を取材収集するという意味である。僕は今後も野中操法(健康腺療法)や整体操法に関する珍しい資料を、このブログで紹介し続ける予定だが、ここで注意して頂きたいことがある。

仏教経典(お経)の読解の仕方には、いくつかの段階がある。
(1)事釈(じしゃく)
(2)理釈(りしゃく)
(3)秘釈(ひしゃく)
(4)秘々釈(ひひしゃく)
(5)深秘釈(じんひしゃく)=文底秘沈(もんていひちん)

例えば、有名な「観音経」(=妙法蓮華経普門品第二十五)では、次のようなものがある。「心に念じて空しく過さずんば、能く諸有の苦を滅す、たとひ害意を興して、大火坑に推し落されんにも、彼の観音の力を念ずれば、火坑変じて池とならん」。
つまり、これは七難のうちの「火難」のことを言っているのである。先の事釈で言うと、文字通り「火の難」となる。観音様のお力を念ずれば、火事などの災難から逃れられるということである。これが理釈になると違う。この経文で言う「火」は事物の火ではない、「怒り」と解釈するのだ。昔から「怒りは功徳の畑を焼く」という。怒りは徳というものを損ずること甚だしいという。このように、経文の解釈にも段階がある。そして究極の読み方を文底秘沈というのである。文字の底に沈んだ秘密、文字を越えた悟りとでもいうべきもの。以心伝心のようなものである。もう文字や言葉では表現できない、そういうお経の読解体得の仕方である。

整体操法も同様に、資料だけでなく、実際に習った技術も、初心の時と己達(いだつ)の時とでは、捉えるものが違うということである。だからいろいろと繰り返し学ぶということが大切なのである。

その意味で、野口晴哉【心理療法読本】は、整体操法における、文底秘沈にいたる、道しるべとなろう。
| kawashima1092 | 22:26 | - | - | - | - |

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